作品詳細
景色がひろがる敷地に建物はあります。
南国のリゾートが好きな建築主の方で、景色を楽しみながら日々の生活が過ごせるような敷地を、数年間掛けて探し出したとのことです。
そのような経緯から、この景観を家中から楽しめ、さらに景色のイメージを増幅させる空間を提案したいと考えました。そこで、敷地の中に2本の植栽の道を設定し、それが建物を貫くことで、外部の景色と眺望と内部の空間が、親密に繋がっていくデザインの注文住宅を提案しました。
植栽の道は、建物内に入ると植栽が植わったサンルームとなり、建物内部に緑と光をもたらし、建物内部を貫いていきます。
建物中央にはLDK空間があり、そこから、景観を望むとサンルームとガラスに反射した景色が映り込みます。サンルームがあり、そのガラス面に外部と内部の緑が重なり合うことで、建物内部に景色が入り込んでくるようなイメージを実現しています。
中央のLDKの周囲には、サンルームを挟んで寝室や子供室、和室、オフィスといった個室を配置。全ての個室からサンルームを望むことが出来ます。外部の目線は気ならず、リゾートのような雰囲気を実現しています。さらに、夜はサンルームの植栽がライトアップされることで、グランピングのようなイメージになると、建築主の方の感想を頂いています。
用途:専用住宅
家族構成:夫婦+子供2人
場所:奈良県
敷地面積:350.64m²(106.07坪)
建築面積:132.45m²(40.07坪)
延床面積:126.65m²(38.31坪)
構造:木造
階数:地上1階
竣工年:2015年
写真撮影:矢野紀行(矢野紀行写真事務所)
藤原 慎太郎 / 室 喜夫
藤原・室建築設計事務所
大阪府
https://aplan.jp/
建築は空間を、空間は景色を。
景色は体験と記憶を。建築に完成はあっても、空間に完成はありません。
空間が見せる景色は、人、時間、自然によって移ろい、決して完成することはないのに、一瞬一瞬の体験と記憶のなかで完成しています。