作品紹介
リビングと公道の間に計画した小さな庭と、南面する交通量の多い道路の間に、閑谷学校の石塀(せきへい)をモティーフに、岩砕を載せた土塁を設けた。庭を囲った岩砕の凹凸は、エントランスとリビングからの見え方を何度も確認しながら決定された。施主の大好きな草花が四季折々に、エントランスからも鑑賞できるのが楽しみである。
室内は4室の小さな個室以外は玄関も含めてワンルームとした。各室の間仕切りは、厚さ12mmの合板1枚で造り、最小限のプライバシーを確保している。仲の良い家族の現在の生活スタイルを活かし、次男さんの車椅子の生活を考慮した計画である。
岸本 泰三
岸本泰三建築設計室
岡山県
http://www.kis-atelier.com/
場所(計画敷地)の持つ可能性を最大限に生かし、地域や環境・歴史との「いい関係」を作りだし、現代の生活に寄り添う住まいを模索します。住宅からは、そこに住む人の「人となり」が見えてきます。経年変化に耐え、施主とともに日本の四季を感じながら、美しく歳をとっていく住宅建築を目指しています。