作品詳細
高低差のある2つの道路に挟まれた敷地に建つ平屋の住宅。敷地に面する道路の一つは生活道路でもう一つは2m近く低い位置にある片側2車線の幹線道路。アプローチは生活道路側ですが、幹線道路側から見える姿も意識して、特徴がありながらどちらから見ても同じ印象を感じるカタチを提案させて頂きました。
ご要望の中にご自宅で年に数回テナントを集めてお店を開いたり、ピアノリサイタルを開催したりと人が集まるイベントをできることがありました。そのため、リビングスペースを広く取り、また空間自体が窮屈にならないように吹き抜け空間を作りました。また、少しでも広がりを感じられるようにテラスと中庭を作って外部空間とつながるようにしています。特に中庭はピアノリサイタルを聞く人の視界が止まらないようにと思い、ピアノを置く位置関係を意識して配置しました。出来上がっていくと、この2つの外部空間を背景にその時々でピアノを移動させるようにするということを仰って頂き、提案したことが正解だったと感じることができました。またテラスは人が多く集まった時の息抜きをする場所として提案させて頂きましたが、幹線道路側のため人目が気になるところですが、高低差があることで視線が入りにくい位置になり、また植栽を植えて目隠しをすることで室内空間に近いくつろげる場所として使うことができるようにしています。
内部構成はリビングとなるホールを中心に事務所、和室、寝室、水廻りを周囲に配置し、和室の上にはホールの吹き抜けに続くロフトを作りました。ロフトは物置として普段使いながら、リサイタルの際には上からも見ることができるようにというこも考えた形となっています。またホールの天井は木板張にして緩いカーブを描き、音の反響が和らぐ形としています。またハイサイドライトを配置することでホールが暗くならないようにしています。

髙橋 純也
Ju Design 建築設計室
愛知県
HP: https://www.judesign-archi.com/
家づくりは楽しいものであってもらいたい。未来を想像して家族にあったカタチを作り上げる夢の具現化です。理想を持った空間はきっと楽しい空間になります。
「この場所で何をするか」、「そこに立って何を見るか」、「時間と共にどのように変化していくか」、「居場所はどこにあるか」 実際に理想はと聞かれると、大きさや部屋数、こんな雰囲気がということを思い浮かべる方が多いと感じます。居場所というのはなかなか考えるのが難しいことのようです。
その居場所づくりをすることが、僕が建築で大切にしている役割です。どのように生活が営まれるか、空間のつながり方やそこから見える姿をイメージしながらその中に居場所という付加価値を落とし込んでいきます。
家を建てることは人生の中で生活が大きく変わる分岐点です。楽しく生活するための居場所づくりのお手伝いが出来ると幸いです。
<経歴>
1980年 愛知県犬山市生まれ。
2003年 名城大学理工学部建築学科卒業
一宮市内建設会社入社。工事部で現場監督を経て設計部へ。
2007年 設計事務所入社。
2013年 愛知県江南市にてJuDesign建築設計室を設立
<受賞歴>
2016年 第4回家づくり大賞一般投票部門「設備部門賞」受賞 ( n-邸 / Wall × Wall )
第4回家づくり大賞家づくりの会選考部門「もっと細部部門賞」受賞 ( n-邸 / Wall × Wall )
第8回CCDOデザインアオード 入選
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