作品詳細
中庭と桜を含む庭、2つの重心をもつ庭のあるコートハウスです。築50年ほどの家の建て替えで、少し風化した佇まいと和の趣をまとった庭がありました。その中から、桜を選んで残しています。また、年月を経て刻まれた「想い」を汲み取り、既存のものをあちこちにちりばめています。道路から見る外観は窓が少なめですが、緑が街にこぼれるような雰囲気としました。玄関を入るとイロハモミジを植えた小さな庭が見え、次に中庭の緑が目に飛び込みます。中庭の主木はヤマボウシで、少し離れた位置に既存の桜があります。リビングはコーナー窓を通して庭とひとつながりとなり、四季の変化を日々感じられます。中庭のバードバスは既存の石灯籠を再利用し、既存の瓦を砂利止めや踏み台としました。2階はハイサイドライトの光で明るい水回りと個室、書斎です。書斎は屋上庭園に面し、隣家の八重桜やワイヤーを利用した藤棚、井戸水を利用した水盤を眺めながらゆったりと過ごせるようにしました。上から見下ろすと、街の緑と家の緑が連続している様子がよくわかります。街の風景は一軒一軒の家が形成するものですから、わずかでもいいので植栽をした方が街並みは確実によくなります。
所在地:東京都
延床面積:141.71㎡/42.8坪
ロケーション:住宅地
村田 淳
村田淳建築研究室
神奈川県
HP:https://murata-archi.com
住まいとは 心地よくすごせる場所であることが大切です。
室内が気持ちよく外の風景とつながることや機能的で配慮の行き届いた設計はもちろんのこと、
快適で永く住むことのできる住宅を目指しています。