作品紹介
京都伏見の川に面して建つこの住まいは、1階をワークスペース・2階を住居とした住まいです。内外ともに素材の質感を大切に、そのままあらわしています。酒蔵も多く建つ地域に合わせて外壁には黒の焼杉を張り、傷みやすい1階部分のみ小波鉄板としています。隣地側を一段下げた2段の屋根とし、室内にも屋根を支える2段の高さの木材がそのままあらわされています。内部の壁・天井も粗いべニア板張りとして、窓周りも枠がなくべニア切り放しのままです。1階のワークスペースでは土間をモルタルも塗らず基礎のコンクリートのままとし、天井は張らずに2階の床裏をあらわしとしています。建物の構造も仕上げも裏表のない正直な素のままの住まいは、それゆえに誤魔化しのきかない造りです。多くの職人の気の遠くなる手間と気配りこそがこの住まいの仕上げ材料です。
<29110>
<物件情報>
●広さ(坪数):42坪
●部屋数:LDK+寝室+クロゼット+ワークルーム+レンタルルーム
●家族構成:単身
●ロケーション:都市
木村 哲矢
木村哲矢建築計画事務所
大阪府
HP:https://tetsuyakimura.jp/
■ 住まいは 身体の居場所や家財の置き場所にはとどまらず 心の場所でありたいと思います。言葉や数値で捉えられるものだけではない何か を住まいに込めていきたいと考えています。
■ 明るさとともに陰の心地よさを、広がりとともに狭さ・低さがもたらす落ち着きを活かした、奥行のある生活空間を考えてまいります。
■ 生活と、光と、風と、素材とが響きあう素直で正直な空間を提案します。
■ 時の経過とともに人も住まいも育っていく、そのような住まいを目指してまいります。
日本の風土気候に培われた住まいの知恵と趣きを活かしながら、同時に現代的な要素も素直に盛り込み、日々の生活に「ほっ」とする居心地と「はっ」とする新鮮な歓びを見出す“心が新しくなる住まい”をつくっていきたいと考えています。