作品詳細
里(街)と山の境界に立つコンパクトな木の住まいです。
限られた面積の中に必要な機能を入れ込むために空間を整理し、人が出入りするためだけに用意されている「玄関」と呼ばれる空間を省略しました。
イメージは昭和の学校や幼稚園のような外部土間から内部へ入る感じ。
南~西側にめぐらされた屋根付きの土間が夏場の厳しい日射を防いでくれるので、室内は優しい明るさに包まれてい御在所岳の麓、長閑な敷地に建つ平屋ボリュームの木の住まい。
もとは農地であった長閑な敷地に馴染ませるため、平面プラン、屋根型ともにシンプルにまとめ建物の高さを抑え風景を壊さないように配慮しています。プランは5.5間×5.5間の正方形+下屋のカーポート、屋根型は四方の高さを抑えるために方形としました。また敷地に余裕があるので、敷地割には従わずLDKの開口部を真南に向けるため建物を振っています。余談ですが周辺の建物は皆なぜか南西を向いているので工事中近所の方からなんでそんな方向向いているんだ?と何度も聞かれました。(笑)地元の方はあまり細かく意識してないんですね。
内部は中心にある4帖半のライブラリーを中心に回廊を廻したプラン。この回廊によってプライベートの裏動線と、来客時の動線をわけることができています。南側に生活の中心であるLDKを配し、冬場の日射をたっぷり取り入れ、建物の断熱性能と相まって昼間は無暖房で過ごせる計画となっています。もちろん夏場の日射は深い軒+ガラリ付網戸+簾でしっかり遮蔽し夏も快適に。
建築面積:138.76㎡
延床面積:120.9㎡
3LDK
家族3人(夫婦+子)
山のふもと、薪ストーブ、郊外
神谷義彦
神谷建築スタジオ
愛知県
https://www.kamiyastudio.com/
自然素材をつかい、日本の山の木をつかい、自然のエネルギーをつかってそしてちょっとだけ設備にお手伝いしてもらう。
やせ我慢の快適ではなく、メカメカの快適でもない。
程よい塩梅で整えた「おおらかな」木の住まいを、「しっかりとした」裏付けのもとに提案させていただきます。