作品詳細
新城市内から寒狭川に沿って、国道257号線のくねくねした道を車で40分ほど走ると「清崎」の集落に到着します。初夏から秋にかけて鮎釣りや観光ヤナで賑わうこの地から3㎞上流に設楽ダムが作られます。
「北設の家」は、設楽ダム建設によって移転を余儀なくされたことで始まった家づくり。集団移転地のひとつとして造成された団地の一角に、家業の麹工場と三世代が暮らす二世帯住宅を新設する計画です。
軒深の切り妻屋根とそとん壁の素朴な外観は、山間の長閑な集落に調和する上品なデザインです。
“コの字”のコートハウス形式のゾーニングは、高齢のお祖父さんの居住エリアを玄関とリビングに近接、お父さん世帯の寝室を1階の奥、子世帯は2階にレイアウト。
水没集落の多くがこの団地に移転の予定で、地域の集会場としての役割を担う和室を玄関付近に計画しています。
麹工場の休憩時間や荷物・来客応対なども考慮し、住と職が使い勝手良く共存する暮らしやすい住まいとなっています。
原田 久
Dikta Architects office 一級建築士事務所
愛知県
https://dikta.jp/
愛知県豊川市の設計事務所です。
クライアントの想いを大切に、丁寧な家づくりを心がけています。