作品詳細
豊橋の中心部から車で20分。野依八幡社の周りに一つの集落があり、その周囲には農地が広がります。穏やかな気候に恵まれた豊橋市は、全国有数の農産地でもあります。
「野依の家」は、農業を営むクライアント自宅の老朽化と、手狭になった出荷作業場の作業性改善を図るために、新たな土地を求めて二世帯住宅と農作業倉庫を新設する計画です。
家づくり当初は、親御さんと若夫婦の間で意見が合わず、業者選びでつまづいてしまいます。土地の購入、農地転用・開発許可等手続きのタイムリミットが迫る中、いたずらに時間だけが過ぎていく切迫した状況でご相談をいただきました。
意見対立の原因は、リビングと仏間を一体にして広がりのある空間を要望されていたところ。リビングのデザインが仏間に影響されることを若夫婦的に許容できないというものです。
詳しく話を伺うと、お父様はゴリゴリの和風を求めているわけではなさそうです。さらに写真でイメージを探ると上品な和室が好みのようです。材種や木目に配慮すれば、双方の要望に沿った設計は難しいことではありません。リビング寄りのモダンな和室にすることを提案し双方が納得。ようやく家づくりが始まります。
その後、打合せを重ねるうちにリビングと和室は分離する方針に変更となります。仏間がリビングに影響を及ぼすことがなくなりがなくなり、それぞれにデザインを考えればよくなりました。リビングは若夫婦のイメージに、仏間は、ご親族がお集まりのこともありますので相応の格があり、それでいてお父様好みの上品さを目指して設計させていただきました。
ご両親さまやお祖母さまお気に入りの空間になればとの思いで設計した和室ですが、若旦那お気に入りの場所になっているとのことです。
原田 久
Dikta Architects office 一級建築士事務所
愛知県
https://dikta.jp/
愛知県豊川市の設計事務所です。
クライアントの想いを大切に、丁寧な家づくりを心がけています。