ロケーション

作品No

家族構成

広さ

建築家

都道府県

OK-H 宮崎県

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作品詳細

OK邸は宮崎市中央を大きく蛇行する大淀川の西側丘陵地にある生目台団地内にある。国道10号線近辺の大淀川堤防より対岸を通して西から南に目をやると、小高い丘が連なる。
私が子供の頃に見たその風景は、まさに「緑の帯」となっており、私にふるさと宮崎の境界を意識させてくれた。その後、県都として人口増の中、この「緑の帯」の中に建物が見え隠れするようになる。アイストップとしての「緑の帯」は宮崎の景観として残さなければいけない物の一つだと思う。
その緑の奥に生目台団地はある。平家建の中古住宅を数年前に購入され、お子さんの成長とともに建替えを検討されてきた。私との出会いは宮崎市北部の平和が丘団地内で設計監理をしたH邸の建築主の紹介による。
敷地は、北側道路で団地内の標準的広さの80~90坪、建設当時の社会情勢なのか、車一台分の駐車場を確保した住宅が比較的多い、今回要望事項の一つとして夫婦それぞれの駐車スペースと来客用として1台分のスペース、計3台分の駐車スペースがでてくる。他にも外部スペースとして、家族人数分の自転車置場、庭等で使用する物の収納スペース、子供達が遊べる庭、眺める庭等も打合せのなかで確認する。
他、住まいへの要望として、通風、陽射し、換気、仕上材等を考慮し、エアコンに頼らないつくりとする。隣近所が接して建つなか、隣接住宅の窓の位置等を考慮しながら、唯一南方向に見える山なみへの眺望を確保すること。子供の居場所について、子供部屋というとらえ方だけではなく、居心地の良い場所が子供達によって各所に見出せるような空間とする。既存平家の生活経験から室内の回遊性についても要望がある、住宅内部での生活動線が一方向の行き来ではなく、ぐるりと廻れる計画とする。これらは常日頃、計画時に大切にしていることである。他にも日常生活の中でより快適に過ごすための要件について一つ一つ確認し、整理しながら打合せを進めていった。
北側道路よりの視線を考慮し、道路から直に見えにくいアプローチとし、少々の雨でも対応できる玄関ポーチ、玄関横には物置を設置し、玄関と玄関ホールとの間には引込み建具を設け冬場の室温度対応とする。玄関ホールからは居間・台所・洗面脱衣室に出入りができ、それぞれの部屋が他の部屋とつながっている。居間・食堂・台所は一つ大きなの空間となっているが、L型にすることで、それぞれの独立性も緩やかに保たれている。居間は吹抜けとなっており、二階の子供部屋と台所とが何気につながったつくりとなっている。
建物が完成し、生活が始まり、間もなく一年をむかえようとしている。玄関アプローチ部分の多くはない植栽も枝を伸ばし、また道路に対してセットバックした作りとしていることも影響しているのか、街並にすっかりと溶け込んだ風景を作り出している。OKさん家族にとって、ふるさとの風景のひとつになればと願っている。

柴 睦巳

柴設計
宮崎県
HP: https://sites.google.com/view/architect-shiba/

宮崎県内を中心に自然乾燥木材を使った住まいを建築主ご家族と一緒に作っています。

 

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